帯広市

発明協会も表彰した製法に、棟方志功の包装紙。【竹屋製菓】の「そばやき」はいろいろスゴイ!

竹屋製菓

帯広市は十勝のほぼ中央に位置し、とかち帯広空港から車で50分ほど走ると中心部にアクセスできます。道東自動車道を利用しての移動では、「音更帯広IC」か「帯広JCT」で降りると中心部まで約20分です。竹屋製菓はJR帯広駅周辺の市街地エリアから東に約2キロ、車で5分ほどの場所にあります。

店内

竹屋製菓㈱

竹屋製菓が創業したのは1925(大正14)年。現在は三代目の鈴木培弘(ますひろ)社長(64)が「一生懸命によいものを作っていきたい」と、そば粉100%の珍しい焼き菓子「そばやき」をはじめ、小豆やバターなど十勝産素材を生かす手作り菓子を製造しています。
飾り気のない小さな店構えですが、ほかにはない味を求めて、十勝はもとより北海道外からもファンが訪れています。

そばやき
そばやき

竹屋製菓の代表菓は「そばやき」。そば粉だけで焼き上げる珍しいお菓子です。生地はそばの濃厚な風味と、しっとりさっくりの食感が魅力で、中には求肥と十勝産小豆のつぶあんが隠れています。

「そばやき」はいつどのように誕生したのでしょう。鈴木社長にたずねると、「自分が子どもの頃はすでにあったので、おそらく昭和40年前には完成していたのではないか」という答え。どこにもない珍しい新商品を開発しようと、初代である鈴木社長の祖父が、当時勤めていた職人とともに、試行錯誤の末に作り上げたのだそうです。

じつはこの「そばやき」、よその菓子職人を驚かせたお菓子でした。つなぎを使わずにそば粉だけでこの食感と味わいを生み出すのはもはや不思議の領域で、他店の職人たちが材料配分や製法をあれこれ想像し再現を試みたものの、みな難しさに断念したらしいと鈴木社長は伝え聞いてきました。

それを証明するように、「そばやき」は、1965(昭和40)年に「第16回全国菓子大博覧会」で総裁賞を受賞したのを皮切りに、興味深い栄誉を複数受けています。

全国推奨観光土産品審査竹屋製菓㈱は全国推奨観光土産品審査で北海道第一号の推奨状を受賞

 

たとえば1979(昭和54)年には「全国観光土産審査会」において北海道第一号の推奨を受賞。北海道の大手メーカー各社を抑えての第一号はみごとです。

発明協会賞状「そばやき」は発明協会からも受賞

 

続いて1988(昭和63)年に受賞したのは、なんと「発明協会 北海道支部長賞」。優秀な発明品と認められるほど、「そばやき」は高度な技術を要するお菓子だったのです。

しかも「そばやき」の味わいは機械製造では出せないため、今も鈴木社長が伝統の手練りで丹念に作り続けています。
いつも同じ味になるよう、季節ごとそば粉の配合を調整しながら丁寧に作られている銘菓「そばやき」は1本850円。通販可能商品。オーブントースターで軽く焼くといっそう香ばしく楽しめます。

ミニハーフサイズの「こも巻き」は480円

 

包装紙
棟方志功の包装紙

竹屋製菓といえば日本を代表する版画家、棟方志功が描いた倭絵(やまとえ)の包装紙を使っていることも特長です。遠方の美術愛好家が、包装紙めあてに来店することもたびたびあります。
しかし世界的巨匠がなぜ竹屋製菓の包装紙を? そのいきさつを鈴木社長に聞いてみました。

それは1973(昭和48)年ころのこと。先代社長である鈴木社長の父が、「新しい包装紙を作りたい」と考えていた折、たまたまテレビで見た棟方志功の人間性に惹かれ、「この先生に描いてもらいたい!」と情熱だけで東京の事務所に突撃したのでした。

もちろん突然行って巨匠に会えるはずもなかったのですが、棟方氏のマネージャーが先代社長の思いに共感してくれ、さらには巨匠がお土産の「そばやき」を気に入ってくれたことで面会がかない…。世界の棟方志功が描くこととなりました。

それが縁で、棟方氏が個展で来帯した際は鈴木家が十勝を案内するなど、交流は続いたそうです。

包装紙棟方志功が竹屋製菓㈱のために描いた倭絵の包装紙

 

棟方志功が竹屋製菓のために描きおろした包装紙は北海道の四季を表現したもので、季節ごと4パターンあります。「北海道の味 そばやき」と読み取れます。

竹妙妃図初代社長の奥様を描いた「竹妙妃図」

 

こちらは棟方志功が来帯した際に、鈴木社長の祖母をモデルに描いた「竹妙妃図」です。複写が店内ショーケースに飾られているのでぜひ注目してみてください。

豆太郎
豆太郎

十勝産小豆のつぶあんをぜいたくに包んだ欧風パイまんじゅうです。あえて機械を使わず手作りにこだわるパイ生地は、バター風味が鮮烈に香り立ちます。1個135円

ミルクパイ
ミルクパイ

酪農王国十勝の新鮮牛乳とバターが芳醇に香るパイ菓子です。水を一滴も使わずにサクッと焼き上げたミルキーなおいしさをお楽しみに! 1枚60円

 

外観

TEL 0155-23-1758
帯広市東8条南7丁目19
営業時間/9:00~17:00
定休日/日曜日
駐車場/2台
※地方発送可能商品あり、電話でお問い合わせください。