十勝トテッポ工房
かわいらしい響きの店名と、緑地のランドマークのように佇む風景など、いくつもの特徴を持つ「十勝トテッポ工房」。十勝素材にこだわる、お庭の中のスイーツショップです。
「トテッポ」とは、かつてここを走り砂糖原料のビート（甜菜）を運搬した「十勝鉄道」の機関車の愛称です。「とかちてつどうのきしゃぽっぽ」から「とてっぽ」に転じたのでしょうか。NHK連続テレビ小説「なつぞら」でも、なつの妹、夕見子が「とてっぽで来た」と言うシーンがありましたね。
黒い機関車「トテッポ」がシンボルマーク 「十勝トテッポ工房」は全国でも珍しい、新聞社が経営する菓子店です。十勝毎日新聞社が擁する観光グループの一事業として2010年に開店しました。
お菓子の原材料に恵まれた十勝は言わずと知れたスイーツ王国。また乳製品も豊富で、全国ナチュラルチーズ生産量の６割を占めながら、当時はまだ十勝にチーズケーキ専門店がなかったことから同社がオープン。十勝鉄道の線路跡に店舗があるので「十勝トテッポ工房」と名付けられました。
看板商品はひと口サイズの「ナチュラルチーズケーキ」です。クリームチーズ、フレッシュチーズ、マスカルポーネをブレンドした「北海道フロマージュ」162円と、北海道フロマージュをベースにカマンベールチーズを加えて濃厚にした「カマンベール」が定番商品。8個入りボックスはお土産にも人気です。
人気NO.1のナチュラルチーズケーキ「北海道フロマージュ」「ナチュラルチーズケーキ」に使用するチーズは十勝産を中心に100％北海道産で、小麦粉、砂糖、卵、牛乳、生クリーム、発酵バターにいたるまですべて北海道産です。ぜいたくに作られた北の恵みの結晶を味わってみてください。
ショーケースには定番ケーキや季節のケーキがとりどり並び、鮮やかさに心が躍ります。いくつかおすすめ商品をご紹介しましょう。
ぜひ味わいたいのが、1個で2種のチーズケーキを堪能できる「リュンヌドフロマージュ」です。リュンヌとは仏語で月のことで、ホール状態だとまんまるお月さまのようなのでこの名前がつきました。
リュンヌドフロマージュ十勝野フロマージュのカマンベールやクリームチーズ、北海道産マスカルポーネなどを使ったベイクドチーズタルトの上に、ふわふわのスフレチーズケーキがのって魅力は2倍！
帯広市「ときいろファーム」で栽培された木イチゴのジャムがサンドされ、甘酸っぱいアクセントを添えています。表面のちょっぴりほろ苦いカリカリキャラメリゼがたまりません。
「とてっぽティラミス」も人気の1品です。コーヒーリキュールが染み込んだ香りよいスポンジ層と、マスカルポーネチーズのクリーム層がお口の中で溶け合う瞬間…。至福です。
とてっぽティラミス
十勝のナチュラルチーズも販売中最後にもう少しだけ、「十勝トテッポ工房」がある「とてっぽ通」についてご紹介します。
「とてっぽ通」は全長1870メートルの歩行者・自転車専用道路です。この先、南20丁目まで歩いていくと、保存展示されている蒸気機関車と客車を見ることができます。
機関車を模した「十勝トテッポ工房」の黒い外観1923（大正12）年に敷設された十勝鉄道は現日本甜菜製糖の私鉄で、約3キロメートル先にある製糖工場までビートを運ぶための鉄路でしたが、翌年からは旅客輸送も開始。地域の足としても活躍しました。
しかし1950年代に入るとトラック輸送が普及。しだいに十勝鉄道の各線が廃止されてゆき、2012（平成24）年6月に最後の路線が廃止となりました。
「十勝トテッポ工房」に来たら、「とてっぽ通」をお散歩してみませんか。菓子王国とかちの礎を築いた、歴史の面影に会えるかも…。
TEL0155-21-0101
帯広市西6条南17丁目3-1
営業時間／10:00～18:00
定休日／月2回不定休
駐車場／18台
席／夏季屋外ベンチ席10席
